2013年7月20日土曜日

お隣さんの女の子が生きていた。起きない事が奇跡的であり。 2-2.→3.

2-2.お隣さんの女の子が生きていた。

「え?ちょっと待って、分からない。俺、お葬式に行ったよね。」

「えーと。そうなの?ありがとう。」

「あ、どういたしまして。」

「ごめんなさいね。」

「は?」

春野雪乃は一昨日死んだ。

「あー……当日は、ちょっと出かけてましたもので。」

「はぁ?」

「だって、自分のお葬式とか嫌じゃないですか。怖いじゃないですか。」

「まぁ、気持ちは分かるけど?」

昨日が、お葬式。

「やっぱり怖いですよ。」

「じゃあ、当日はどうしてたの?」

「まぁ、家族も出払ってたので、街をブラブラと。」

「あ、そう。」

死んだと思ったお隣さんの女の子が生きていた……じゃなくて、幽霊になっていた。それが分かった時に必要なのは話し合いである。二人が話し合っている間に、一昨日の朝に何があったかを振り返ってみる。


3.起きない事が奇跡的であり。

次の日の朝、起きると少女は死んでいた。いや、起きなかった。前日に何か事故にあった訳ではなく、また、持病があった訳ではなく、なんらかの疾病を罹患していた訳でもなく。当然、殺人や、もちろん自殺でもなく。何の外傷もなく何の原因もなく。原因はあるかも知れないが、何か分からず。ただ、死んでいた。深夜から早朝にかけての時間。夜中の三時頃に急に心臓が止まり、そして、多分、苦しむこともなく死んでいた。

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