2013年7月20日土曜日

風説a。ミレン。5.→6.

5.風説a。

何かあのコ。寝る前にボソボソ話していたみたいなんだけど。

寝る前だったら、もう寝ていて寝言だったんだろう。気にすることない。

……そう。


6.ミレン。

「えーと。やっぱり学校にはついてくるの?」

「暇ですから。」

「あ、そう。」

「それに、もしも生き返れたりしたら、勉強してなくて、パッパラパーだったら嫌じゃん。保険保険。」

「……それはそうだね。」

東丸は、生き返るとしたら体とかどうするのだろうか?と考えた。幽霊が目の前にいるのだから、ファンタジーという意味では、人の体なんて楽勝で、よく分からない世界から練成されそうなモノだが……と無意識下に思っていたのかも知れないが、焼き場には行かなかったとは言え、カノジョの肉体が灰と骨になったのは、事実である。

適当に話をあわせながら、通学路の中で、比較的見通しがよく前後に人がいないのを確認しながら、二人はボソボソと話しながら、中学に向かった。やがて、それがいつものこととなる。雪乃は、他の生徒が歩いている時は、お喋りをやめ、フワフワと中に宙に浮き上がったりして、時間を潰していた。

「あんなちっぽけな所に、細い道を蟻のように連なって、粒々した中学生が歩いている。ふふ。人がゴミのようだ。なーんてね。」

人に見られないことが、少女を少しだけ大胆にするが、少年の傍に降りてきた時に、少しだけ不安を感じた。

「なーんてね。」

「痛っ。何?急に。」

『いた』だけ不意で大きな声を出してしまったが、その後は、小声で聞き返したが、雪乃はうやむやにして、東丸の少し前を歩いた。いや、浮いて進んだ。東丸は、彼女の真意が分からないままに、後を追う。意味無くこづいた彼女もまた、自分の行動の意味は分かってなかった。

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